photo by Natsuko Takehara

不耕起移植栽培

不耕起栽培とは

 

田んぼや畑を耕さずに作物を育てる農法が、

不耕起栽培です。

 

不耕起栽培には、田んぼや畑に、

種をじかに蒔く、不耕起直播(ふこうきちょくは)栽培

苗床や苗箱に種を蒔き、苗を育ててから、

田んぼや畑に移植する、不耕起移植栽培の

やり方があります。

 

私は1996年ごろに、この農法について知りました。

その後、ご縁があり、2000年から今日まで、

不耕起移植栽培の現場を見続け、

自らも実験を繰り返してきました。

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不耕起移植栽培とは

 

不耕起移植栽培は、

農家の人たちが生み出した農法です。

 

全国各地の気象条件も、土質も、水質も、

品種も異なる様々な違いがある中で、

農家の人たちが実験的に行い、実証してきて、

不耕起移植栽培の技術が生まれました。

 

年月をかけて、技術は進歩してきました。

そして、今日も変化し続けています。

 

技術は進化しても、理論はあまり変わりません。

 

不耕起栽培を学びたい人に多いのは、

ノウハウだけ知りたがる人です。

 

マニュアルを欲しがるタイプの人ともいえます。

 

ノウハウや手順を覚えても、

地域や品種、気象の突然の変化に、

対応する方法はわかるはずがりません。

 

手順やノウハウだけ知りたがるような人は、

自分のことしか考えない人です。

 

気候も品種も違う、北海道の人と、九州の人が、

同じ手順やノウハウで、理論を再現できるはずがありません。

 

このサイトでは、手順やノウハウの説明はしません。

 

文字にすると、自分勝手な思い込みで、

条件が違うのに自分がこれをやると良いと、

思い込む人がいますから、そういう人は迷惑なのです。

 

理論を学ばずノウハウだけで、不耕起栽培をやろうとすれば、

失敗することは、間違いありません。

 

文字に書くと、書いてあったことを、

失敗の言い訳に使う人がいるので、

私も、不耕起栽培実践農家にも、大変迷惑なのです。

 

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作物は生きものだと理解しないで農業技術はない

 

稲に限らず、栽培作物は生きものです。

 

稲の生理生態を理解できて初めて、

不耕起移植栽培の理論がわかります。

 

理論がわからない人が言うことからは、

本当のことは何もわからず、役に立たないのです。

 

 

稲の生理生態と品種特性を知り、

理論に基づいた育て方をすることで、

不耕起移植栽培は最大の力を発揮します。

 

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不耕起移植栽培法で稲を栽培するメリット

 

では、不耕起移植栽培の田んぼで稲を育てる、

メリットは、どんなことでしょうか。

 

1.稲が遺伝的に持っている能力を最大限に発現でき、

丈夫で病害虫や異常気象にも負けないで大きく育ちます。

 

2.不耕起移植栽培を行うことにより、少ない苗で、

有効分げつ(穂になる茎)が多くなり、増収する。

苗が少なくて済むことはコスト削減と労力の削減になる。

 

3.苗の育て方で、丈夫で太い苗になり、

葉の幅や長さが大きくなり、お米の中身であるでんぷんが、

効率よくたくさん作られるので、米粒が大きくなる。

 

4.苗の育て方が、不耕起移植栽培の核となっており、

苗のうちに、穂に着く枝梗(穂の枝分かれ)の数が、

多くなる体質が作られ、1穂あたりの粒数が多くなる。

 

5.耕さないことで、土に根穴構造ができ、

田んぼでありながら団粒構造ができ、

土中の糸ミミズなどの微小生物も増えやすくなるため、

サピオ層の増加など食味に良い影響を与える。

 

6.固い土に根を張らせることで、

根が長く太くなり、根量が増える。

根が長く多ければ、干ばつや冷夏にも耐え、

根に比例して、分げつ(茎数)も多くなる。

 

7.冬期湛水との組み合わせで、

土壌微生物相・微小生物相・藻類が豊かになり、

自然循環による天然の肥料成分が田んぼから供給される。

 

8.冬期湛水との組み合わせで、藻類からの酸素の供給が増え、

生物の食物連鎖による緩速ろ過と同じ働きにより、

下線に流れる田んぼの水や地下水が浄化される。

 

9.耕さず、肥料も少なくて済むため、省コストになる。

 

10.肥料過多やトラクターによる二酸化炭素の排出量が、

一般水田より少ないため環境に優しい。

 

11.環境省のレッドリストに載る動植物が、

復活や繁殖をするため、希少生物にも優しい。

 

12.冬期湛水水田も湛水していない不耕起田も、

冬の間、渡り鳥が好んで立ち寄る傾向があり、

鳥類の保護や越冬、渡りへの一助となる。

 

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本当にたくさんのメリットがあるんです。

 

更に、大規模な機械化農業でも、

小規模の趣味の農業でも、出来るやり方なんです。

 

誰がやっても、理論通りにやれば、

失敗は少なく、メリットに再現性があります。

 

地球規模の環境のことや自然のことを思えば、

日本で生まれた不耕起移植栽培は、

良いことだらけだと言えます。

 

農業を業としてやっている農家の人たちが、

あまり関心を持たないことが多いだけに、

これから不耕起移植栽培を始める人たちには、

みんなで結果を出して欲しいです。

 

 

私たちが、自然耕塾を開催したことで、

不耕起栽培をする人は、増えたと思います。

 

しかし、本当に理論を学ぶまで、実践できたひとは、

クラスに1、2名でしょう。

 

学んだことだけの自己満足で、実践は自己流で、

不耕起移植栽培を語る人は多いんです。

 

不耕起栽培をやっているという人の田んぼや苗を見ても、

?が付くような状況は、しばしばあります。

 

 

この技術を生み出した人たちのような苗は、

ほとんど、育てることができていないです。

 

今、不耕起栽培の理論や技術を伝えられる人、

教えられる人は、ごく少数になりました。

 

学べるのは、あと十数年ではないでしょうか。

 

 

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日本の農業は今のままでいいのか

 

日本の農業は、本当に生業か副業です。

 

世界に負けない、食糧難など起こさない農業をするなら、

これからの時代は、外国の農業と同じように、

農業を事業としてやったほうがいいと思います。

 

そのためには、孤軍奮闘するのではなく、

資金も労力も知恵も情報も出し合って、

大規模な農業をするコミュニティを作って学び、

人を育て、各地にネットワークを持ってほしいと思います。

 

人口が増え、食料は不足してきます。

貧しい人、外国から買わないといけない国ほど、

食べ物を得るのが大変になります

 

外国から、ほとんどの原料を買う日本も、

種や肥料も燃料も外国依存で、円の信用が無くなったら、

将来の食糧確保ができるかどうかの不安があります。

 

始めるなら、本気でやりましょう。

 

 

不耕起栽培には、

未来へのたくさんの可能性があるのですから。

 

 

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