不耕起栽培では農薬や化学肥料は使わないのか

不耕起栽培技術と農薬や化学肥料の使用は別な事

 

不耕起栽培は農薬や化学肥料を使わないのでしょうか。

 

答えは、

不耕起栽培を実践する人によって、それぞれ違う

ということになります。

 

 

病気の菌を殺す殺菌剤や、

を殺す殺虫剤などの農薬、

田んぼに生えてくる草を枯らす除草剤を、

使うかどうかは、

農家の人次第ということになります。

 

 

 

稲作専業農家の人は、

たくさんの田んぼで稲を作っています。

 

Photo by Natsuko Takehara
 

ですから、田んぼによって、

農薬を使う田んぼと、全く使わない田んぼとを、

分けていることもあります。

 

同じ稲の品種を栽培していても、

農薬を使う田んぼと使わない田んぼがある場合、

品種や出荷先によって、分けている場合など、

事業の必要性に応じて分けている場合があります。

 

 

もちろん、専業農家でも兼業農家でも、

自分が稲を栽培している田んぼでは、

すべて農薬を使わないと人もいるわけです。

 

 

化学肥料についても、同様のことが言えます。

 

ちょっと違うのは、ほとんどの農家の人は、

苗は田んぼで育てないで、ハウスなどを使用するため、

ハウスでは使うが、田んぼでは使わない人がいたり、

どちらでも使う人、どちらでも使わない人がいる、

というところでしょう。

 

 

農家の人にとって、農業は仕事ですから、

仕事のやり方や規模、お客様のニーズに、

コストや労力を考えた上で、

農薬や化学肥料を使うか使わないかを

決めていることが多いのです。

 

不耕起移植栽培技術を実践して稲を育てることと、

資材として何を使うかは別のことです。

 

農薬や化学肥料だけに限らず、

どんな肥料や特殊肥料、農業資材を使うかは、

別のことなのです。

 

 

耕さない田んぼに、不耕起栽培用の苗を植え、

化学肥料で育てても、農薬を散布しても、

不耕起栽培という農法を実践していることには、

変わりがないのです。

 

 

農薬や化学肥料を極悪視すべきなのか?

 

 

よく、農薬や化学肥料が悪いと、使うのは悪いと、

頭から批判ばかりする人がいます。

 

そういう人は、一度自分で、

稲を一から栽培してみると良いと思います。

 

 

自分ができないことを、良く知らない他人に対して、

農薬や化学肥料を使わずにやれと言うのも、

状況を一つ一つ知らずに批判することも、感心できません。

 

 

 

農家の人は、

たくさんの田んぼに植える苗を育てるために、

たくさんの育苗箱(いくびょうばこ)に入れる、

大量の土を買います。

 

土には種もみの下の床土と、

上からかける覆土があります。

 

床土は、雑菌の消毒をしてあり、

少量の化学肥料が入っていて、

pH調整もしてあります。

 

化学肥料を使うのを批判するということは、

苗を育てる土を買うな、使うなというのに、

等しいことなのです。

 

Photo by Natsuko Takehara
 

多くの場合、苗はハウスの中で育てますから、

育苗環境の温度や湿度が高くなります。

 

場合によっては、カビや病気が出ます。

 

苗が全滅したら、田植えができません。

 

苗を育てている時期になったら、

もう種もみも売っていませんから、

種まきからやり直すことができません。

 

 

不耕起栽培でも、

市販の土を使う農家がほとんどです。

 

また、不耕起栽培用の苗を育てる時には、

追肥をしますが、有機質肥料を使うと、

病気やカビが出ることがあります。

 

病気やカビを出さないために、

経験が浅い人、技術が未熟な人、

適切な設備が無い人には、

硫安を使うように指導をしています。

 

農薬を使わない手法はいくつも研究してきて、

栽培方法や温度管理、補助資材で、

病気を防ぐことはできますが、

誰だって失敗はあるものなんです。

 

 

そういう時には、田植えもできず、

お米も取れなくなり、収入が無くなるリスクより、

農薬を使ってでも、苗を守る方が大事だと考えます。

 

 

もちろん、農協の指導のような、過剰な農薬の使用を、

良いと思っているわけではありません。

 

使わないで済むことなら、

農薬も化学肥料も使わないほうがいいのです。

 

そのために、不耕起移植栽培技術では、

苗の育て方や稲の管理の仕方を研究し、

さまざまな補助資材の実験をし、その成果を、

理論として作り上げてきたのですから。

 

 

 

頭ごなしに、何も知らない人が、

農薬や化学肥料の批判をすることが、

良いことだとは、ちっとも思えないのです。

 

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